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中村昌宏には元々三歳年上の兄がいました。兄は中村昌宏と同様に厳しい父の教えを受け小学生の頃からずっと、今も変わらずに中村昌宏のヒーローであり続けています。もちろん兄は今でも現役で働いており、今でも越えられない壁として切磋琢磨しています。

中村昌宏の父は、中村の兄に店を譲りましたが、中村昌宏はこれまで通り、お店で従業員として働いていました。その過程で兄には出来ない自分なりのセールスポイントが無いと、一生このまま成長しないで終わってしまうと考えた中村は、これまで業者から仕入れていた和菓子に注目しました。

以前は父親が作成していた和菓子も、今では作れる人がおらず、栃木県内で有名な和菓子店から、毎朝届けてもらっている現状です。買付を行っているお店の和菓子は、父の和菓子とは違いますがそれなりの出来栄えだったので、お客様からの不満はありませんでした。

しかし、父親の味を残したいという事と、兄と違うベクトルで強みを持ちたいという事で、兄を説得し、父親に修行を付けてもらう事にしました。しかし、いざ父親に弟子入りをお願いしても中々首を縦にふりません。それもそのはず、父親は、以前一緒に働いていた和菓子職人の方から見て技を盗んだ為、どのように教えたら良いかわからなかったというのです。

父親は、中村昌宏に、基礎は他で覚えて来てほしい事と、修行先は自分が口を利く事、基礎の修行が終ったらその時は自分の技術を教える事を約束してくれました。修行は割烹料理屋と並行して行われました。その為、中村昌宏は10年以上休みらしい休みが取れなかったと言っていました。

しかし、忙しい日々の中でもいいことがありました。修行にいっている所の娘さんと知り合い、四年の交際期間を経て、結婚する事が出来た事です。お嫁さんには二人の兄がいたので、そのまま中村家に嫁ぐ事ができました。何より同じ和食の商売を小さい頃から行っていたからでしょうか。仕事に理解もあり、とても仲が良く、60歳を迎えた今でも、年に数回は夫婦二人っきりで旅行に出かけている仲良し夫婦です。

修行を終え、父親の和菓子造りを教わり、以前提供していた懐かしい和菓子を提供できるようになりました。以前の父親が作っていた和菓子は、その土地で取れた旬の野菜をモチーフに作られていて、どこか懐かしいような味わいのある和菓子でした。その和菓子は現在でもしっかりと受け継がれていて、兄の息子が中村昌宏と一緒に作成しています。

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